その日、私は何も言わずに家を出た。
持ち物は、僅かな財産を詰め込んだ財布と電車に乗るためのICカードだけ。
時刻表も何も見ず、その時ちょうどきた電車に乗り込んだ。
行き先は決めていない。
気が済むまで、行けるところまで行こう。
田舎の電車は空いていて落ち着く。
ガタンゴトン
電車に揺られて、ぼーっと窓の外を眺める。
あぁ、自由ってこんなにも良いものなのか。
なんでもっと早く実行しなかったのだろう。
この小さな逃避行が、ずっと続くなんて思ってないけど。
今はもう少しだけ、この自由で終わりのない旅を楽しもう。
お題『終わりなき旅』
5/30/2024, 1:34:45 PM