チクタク、チクタク。
ただただ床に寝そべって、壁にかかった時計をぼんやり眺めていると、不思議な気持ちになるのです。
秒針の動きは、確かにこの空間に“音”という物を発生させていて、明らかに静寂を乱す存在。
だというのに、この秒針の音が無いよりはある方が、より強く静寂という物を感じるのです。
秒針が無ければ、窓の外から雑音が部屋にひょいと入り込んで来ます。
そうすると車のエンジン音やら、人の話し声やら、そういったいろいろで煩わしいと感じるのです。
チクタク、チクタク。
ぼんやりと、静寂に包まれた部屋の中で、秒針を眺めているのです。
『静寂に包まれた部屋』
9/30/2024, 6:59:28 AM