先日、ふと気が向いて長年寝かしてしまってた紅茶を飲もうと思った。紅茶というものの香りが苦手で、少しばかり辛い、そして苦い記憶も思い起こされる。というのも、別れた彼女が紅茶をよく飲んでいて、その香りというとやはり思い出してしまうものがある。茶葉は、かの女性に頂いたものではあるが、物に罪はなく捨てられずに残していた。中身はアールグレイだった。意外でしかなかった、彼女はダージリンを好んでいた、私にはあまり違いが分からないが、得意げに違いをかたっていたのを思い出した。一つの、ティーパックを取り出すと一欠の紙片が、出てきた、「君にあったのを選んでみたよ!どうかな?」とあった。初めて分かったことがある、彼女は私のことをよく考えてくれてた、そんな彼女を誤認していた、恥じた、最悪の人だ。味はマイルドで渋みも強くなく、昔に言ったあの味だった。久しぶりに彼女に連絡を取ろうとした、紅茶の感想も遅くなったけど伝えようとした。アイコンが仲睦まじい夫婦と子供の写真だった。私はそっとスマホを伏せた。
2023/10/28「紅茶の香り」
10/28/2023, 12:51:57 AM