「おはよう梨華!」
「おはよう三玖。」
「うわ、見てよこれ。今日は数学が2限目、理科が3限目にある。最悪」
「はあ、(そんなこと分かってる。いちいち言わなくていいのよ。)本当気分最悪って感じ」
「ちょっと!どこ行くの?」
「トイレ。すぐ戻ってくるから待ってて」
「はーい…梨華が居ないと寂しいから早くしてね!」
「はあ…」
あの子は三玖。高校に入ってからできた初めての友達で最初は素直に言葉を伝えてくれる良い子だと思ってたんだけど…正直、最近めんどくなってきた。
「あの子に注ぐ愛はこれくらいでいいわね。
うーん、50ml弱くらいね。」
「梨華!」
「あ!杏奈!おはよう」
「おはよう梨華!トイレの個室の前で何やってるの?」
「いや、なんでも。それより杏奈髪の毛切った?
可愛いね。」
「そうなの!気づいたのは梨華だけ!やっぱり梨華は最高の友達だわ。!!」
「そう?笑ありがとう」
「それよりさっきみゆが呼んでたわよ。早く行った方がいいと思うけど…」
「え!うそ!ありがとう!じゃあまたあとでねー!」
さっきの子は杏奈。可愛くて私に声をかけてくれた優しい友達。けど、あんまり話すことはなくて時々話すくらいの関係。
「あの子に注ぐ愛は100mlで充分!」
「みゆ!おはよ!」
「あーりか!探してたのよ!」
「さっき杏奈から聞いた!どうしたの?」
「昨日言ってたディズニーなんだけど、何時集合にするか決めたくて!」
「あー、じゃあみゆが決めていいよ!」
「んー、11時は?」
「いいよ!そうしよ!」
「分かった!ありがと!」
「ううん!じゃあまたあとで!」
今の子はみゆ!たまに休み時間一緒に過ごしたり休みの日には出かけたりしてる仲なの!
「あの子は大切な友達だから、愛は200mlで良さそう。」
「おっはー!りかー!」
「うっわびっくりしたー!もう渚!まじでやめてよね!笑」
「りかこーゆー系がちで苦手だもんね笑笑」
「とりま渚より優先しなきゃならないことがありますのでさようならー」
「は!?無理無理!ねえりかちゃーん♡」
「きもいって笑笑」
「いいじゃーん!笑」
今の奴はなぎさ!超がつくほどの仲良し!
幼馴染でもあるの!優しくて可愛くて、何より面白い親友!
「渚には350mlの愛をっと…」
「何してるの。」
「?…えっ!?三玖!?」
「戻ってくるのが遅いから、トイレ前で待ってたら気付かずに色んな友達に会って…」
「それで、何それ。愛を注ぐ?私にはたった50mlだったのに?」
「いや…これは…」
「ほんとがっかり。もういいよ。梨華とは友達辞める。裏でランク付けされるよりも辛い。」
「待ってよ!」
「嫌。友達によって愛情の量を変えて注ぐような人とは友達でいられない。さようなら梨華。」
「うそ…そんな、」
私はただ、友達の関係を終わらせずに愛情を注ぎたかっただけなの。
なのに、そんな…
「本当、気分最悪よ。」
皆さんは決して友達によって愛の量を変えて注いだりは、しないでくださいね。_______
まあ、するわけないか。
"愛を注いで"
12/13/2023, 7:06:04 PM