終わりにしよう
「終わりにしよう」
彼女はそう言って笑った。
なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。彼女の背後に地面はなく、僕は彼女に銃を向けている。
「なんで、君が泣いてるのさ」
滲む視界で彼女の姿を捉えながら、一歩、彼女へと近づく。
彼女は下がることなく、むしろ一歩近づいてきた。
「私、転落死なんて嫌よ」
一歩、また一歩と彼女は近づいてくる。僕は後ずさることも出来ずにいた。
「ほら、あとは引き金を引くだけ。君ならできるよね?」
彼女の咲かせた花は、これまで見たどの花よりも綺麗で、凛々しかった。
7/16/2024, 8:33:22 AM