#微熱
「ほら、熱あるじゃない…。学校に連絡入れておくね」
幼い頃は熱が出ると学校を休んでいた。
今思えば、微熱と呼ばれるくらいだった。
それでも下がり切るまでは家で過ごしていた。
大人になった今、微熱が出ても仕事は休めない。
薬を飲んで、微熱がある事を隠して自分を騙していく。
今日も仕事の疲れが出たのか微熱が出た。
幸い、今日は休みだ。
「はぁ…、休みでよかった….」
「大丈夫?休みで良かったかもだけど…」
思わずため息と共に呟いた独り言に被せて
心配する声が聞こえた。
半年前から同棲を始めた彼氏だ。
「ごめんね、ありがとう」
「ごめんはいらないよ。頑張ったんだから」
「…っ、うん。ありがとう」
「お粥作ったんだけど…」
「えっ…!食べる食べる!」
料理なんて無理って普段言っている彼なのに。
思わず飛び起きてしまった。
「大丈夫??そんなに早く起きたら悪化するかもよ」
「あは、そうかも」
「ええ、ダメじゃん…!」
「嘘だって、大丈夫。ありがとう」
思わず彼をからかってしまったけれど、
あなたの優しさで熱も下がりそうよ。
それよりも、嬉しさで高熱になってしまうかもね?
11/26/2023, 11:37:35 AM