最近の俺は、遠い日の記憶のことしか語っていませんね。
そうと分かっているのですが、あと少しだけ話させてください。
あの時の貴女は、誰よりも気高く、愛情深く、そして誰より美しかった。それは今の貴女もそうなのだと、貴女にも理解していただきたいのです。
悲しいほどにご自分が嫌いな貴女は、何をそんな馬鹿なことを、と一笑に付されるでしょう。
いいえ、違うのですよ。貴女はあの魂をお持ちです。貴女の魂は、五百年前に俺を救った方の魂なのです。同じ魂を持つ者は、姿形こそ違えど、その本質を一にします。
そう。貴女は何も変わらない。
只、そのように自責や卑下をなされるのを止めてくだされば、貴女はご自分の価値に気づけるのではないでしょうか。
7/17/2024, 2:21:45 PM