帰って缶ビールに手を伸ばす。お風呂上がりはどんなに寒い季節でもこれが一番。
毎晩毎晩手を出してしまうけど、どうしてもやめられない。
今日録画していた番組を早速再生する。推しがはしゃいでいる姿ににやけもときめきも止まらない。
「あーいまの顔めっちゃ可愛いでしょ!」
口にしてしまってハッとする。またやってしまった。
別に寂しくないし。
推し活も前より時間を作れているし、この後どんなにお酒を飲み続けても口煩く小言を言われたり、こうして異性のアイドルにどんなにはしゃいだって、拗ねる言葉さえもう返ってはこない。
そう、一人の方が気楽だし。
何万回繰り返したかわからないひとりごと。
私から切り出した別れは、お互いのこれからのためのものだったのだから、口にしてはいけない。思ってもいけない。
君がこの部屋から出て行って以来ずっと胸にあるこの思いは、口にしたところでもう誰も聞いてすらいないのだから。
*寂しさ
12/19/2022, 3:35:20 PM