14歳になった底辺

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A「ねぇねぇ、人間失格の序盤ら辺にある、「例えば私が10の不幸の悪球を持っていたとして、隣人にひとつあげると隣人耐えがたくなるのではないか」
みたいな文あるでしょ?」

「あー、なんかあるね」

A「あれってマジで凄い文だと思わない?」


「え?どこが?全然分からない」

A「だって人が思ってる事を最も簡単に文章にしてるんだよ?しかも、めっちゃ昔の人だし私そこで感動しちゃったよー」

「そう?共感できんな」

A「もっかい読んでみ?」

「うーんまた今度ねー」

「人間失格といえば最後あれどうなったの?」

A「多分いっさいの事は過ぎていきます、みたいなこと書いてたから、だいぶ時間経ってるんじゃない?最後精神病院に入院させられた主人公はそこで初めて気づくんでしょ。自分は世間からすると人間失格の廃人なんだって。クズみたいなヒラメや行商人よりも、ずっと人の機嫌を伺って自分を捨てて戯けてた人間がいちばんの廃人だって」


「あー、人間らしさと人間失格とかそう言う事?」

A「多分ね。知らんけど」

「合ってるも合ってないもないでしょ」

A「アンタはなんか好きな場面とかないの?」

「堀木と罪のアントを考えていた部分で「悪と罪は違うのかい?」って堀木が主人公に尋ねるシーンがあったでしょ?それに主人公はこう答えた。」

A「違うと思う。善悪の概念は人間が作ったものだ。人間が勝手に作った道徳の言葉だ。」

「知ってんじゃん」

A「ここも好き」

「私もこれ読んだ瞬間折って印つけちゃったもん」

A「ふふっ。本当凄いよね〜。私竹一好きだな」

「え、私も、ヨシ子だっけ?めっちゃ素直なタバコ屋さんの」

A「多分そう。その子もいいよね」

「それなー」

A「ずっと残り続けるんだろうね。」



人間失格について話しても共感するとは言ってなかった。
私は人間失格を読んだ後凄い感動したけど、なんでした感動したのが分からなかった。
でも大体の人は感動してるのだって割り切って寝た。
でも何年か経った後、授業で人間失格をやっても皆んな感動するどころかしっかり読んでもいなかった。
これをみて感動するひとは殆どなのに皆んなダルそうにしてた。
もしかして、皆んな本当は感動し共感していて、
でもそんなのみんなに見せたら変なやつだと思われる。 だから葉蔵に言わせれば皆んな戯けているのでは?
感動して真摯に作品についての感想を共有する事はいい事だと思っていたけど、皆んなは違うのかな。

私だけなのかな?

思春期特有の感情なのかな。でも私はその感情がない。
高校生だけど一回も経験した覚えはない。私が異常に思えてきた。

でも、葉蔵に比べれば可愛いものか。


「お題.私だけ」







7/19/2024, 2:19:36 AM