この道の先にの続き
手を取り合って
ミーナ ナイトは、ハイネが連れて来た
魂に目を丸くする。
「ハイネ....これは、一体....」
『やあやあ初めましてだね 美男美女君
良かったらお名前を教えてくれるかい?』
しかしミーナとナイトには、魂の声は
聞こえ無いらしく固まったままだった。
仕方なく、ハイネが通訳する。
「名前を教えろってさ!」
「この魂喋るの!」ナイトが更に目を丸くする。
二人は、魂をまじまじと見て
自己紹介する。
「ナイトジェッツです!」
「ミーナリースです!」
『ナイト少年にミーナ少女だね!
よろしく頼む 僕の事はハイネ少年に
賜ったタマと呼んでくれ』
ハイネは、タマの言葉をそのまま二人に
伝える。
二人に「タマは、ちょっと安直すぎない」
とか「もうちょっと考えれば良いのに」
とか言われたが ハイネにとって名前なんて呼びやすければどうでも良いのだった。
タマ本人も気にして無いのでとりあえず
お互いの自己紹介を終え
ハロルド局長とマリアにもタマを紹介する
為に局長室に向かう。
二人はタマの姿を見ても驚いた様子も無く
そうして合点が行ったと言う感じで
頷き 深刻な顔で三人に話し出した。
「丁度 三人を呼び出そうと思っていたんだ 今バインダー局は、慌ただしくてね
大勢のバインダーの人達が魂狩りに
駆り出されているんだ。」
「そう言われるといつもより人の出入りが
激しかったような...」ナイトが建物内の
様子を振り返る。
「魂の穢れがあちこちで、発見されて
いるんだ こんなに魂達が一斉に穢れる
のは、かつて無かった事だ。」
「調べた結果 偶発的な物では無く
誰かが意図的に魂達を魂の道から外れさせている可能性が高いの!」
そうしてマリアが一枚の資料を皆に
見せる。
その資料には、フードを被った怪しい男が
映っていた。
「穢れが発生した現場の監視カメラを
調べたらこのフードを被った男が悉く
映っていた。
この男の足取りを調べた所 ある建物に
辿り着いた。」
マリアがもう一枚の資料を皆に見せる。
そこには、豪奢な洋館の写真が載って
いた。
「その建物と土地の所有者を調べた所
ある名前が浮上した
ゼノファーラム」その名前に三人は
目を丸くする。
「ファーラムって....」ミーナが呟く
ハロルド局長が机に肘を突き
両手の指を組んで答える。
「シズク君のおじい様の名前だよ!」
「これがその建物の住所です」
マリアがそれぞれの端末に座標を表示する
シズクと言う言葉にハイネは、
居ても立っても要られずバインダー局を
飛び出した。
『ハイネ少年 待ちたまえ』
自分を呼ぶ声にハイネは、足を止める。
『僕も其処に連れて行ってくれないか!
予感がするんだ 僕の片割れは間違い無く
其処に居る』タマがふわふわと浮きながら
ハイネを呼び止める。
ハイネは、無言で頷き今度こそ歩き出そうとした時.... 「「ハイネ!!」」
今度はミーナとナイトの揃った声がした。
「一人で突っ走らないでよ!」ナイトが息を吐きながらハイネに言う
「そうよ!一人で格好つけてずるいわよ
私達だって シズクの事が心配なのに...」
ミーナが泣きながらハイネに訴える。
「それに僕達は、チームでしょう!」
ナイトがポンとハイネの肩を叩く
ハイネはナイトの言葉に目を丸くし
すいっと視線を横にずらし
ぶっきらぼうに言う
「二人とも遅れたら置いてくからな
足手まといは、いらねェ」
「誰に言ってんのよ!」ミーナが怒った
様に眉を吊り上げ
ナイトがハハッと笑いながら....
「じゃあ行きますか 僕達のお姫様を
救いに....」と最後にナイトがハイネに
そう悪戯っぽく笑って、
三人は、駆け出した。
こうして三人の手に手を取り合っての
お姫様(シズク)救出作戦が始まった。
7/15/2024, 5:50:35 AM