高いとこに登りたがるのは万国共通なのか。
一人そう思いながら、眼前に聳え立つ超高層タワーを駅前の歩道橋の上から見上げた。
正午間近の、強い日差しを受けて白く輝くタワー。
時折、下を走る車のクラクションがけたたましく鳴る。
街の中心部ともあって観光客も多く、広場では記念撮影をしている個人や団体でごった返していた。
下水に排気ガス、人々の発する食べた物の臭いや体臭、香水の強香とが混じり合った強烈な異臭が、じっとりと鬱陶しい潮風に巻き上げられて自身の居る歩道橋まで運ばれてくる。
頭痛を誘発しそうなその臭いに、さっきまで確かにあった空腹感が消え失せた。
テーマ「街」
6/11/2024, 6:09:40 PM