「ん、なんだろ?」
部屋の掃除をした時、タンスの裏に何か落ちていることに気がついた。
私はスマホを持ってきて隙間に光を当てると、折れ曲がった紙のようなものが落ちている。ホコリも被っていた。
手を入れるのは難しいから台所に行って何かないか探してみる。
「どうしたの?」
居間の方を掃除していた彼が私の行動に疑問を持ったみたいで、首をかしげて声をかけてくれた。
「タンスの裏に折れ曲がった紙が落ちているみたいで、拾った方がいいかなと思って……」
「……タンス?」
「はい」
何か神妙な顔をして考え込む彼を私はじっと見つめていた。しばらくするとハッと何か思い当たることがあったみたい。
「俺、心当たりある!! 俺が取る!!」
若干声が裏返りながら、物凄い勢いで垂直に手が上がる。その手の上げ具合が真っ直ぐに綺麗で思わず笑ってしまった。
「ふふ。分かりました。お願いします」
そう伝えると、彼は慌てて部屋に向かっていった。
……あやしいな。
なんだろ。
なんか動きが不自然。
隠したいことってあるのかな?
どうしよう……気になっちゃう。
しばらく今で休憩していると、一気に騒がしい声がする。その後で安心した顔の彼がホコリを被って戻ってきた。
「取れました?」
「取れたー! 見つかって良かったよー!」
髪の毛にホコリが付いていて、彼の髪の毛からはらい落とす。
「なにか聞いても……いいですか?」
「えっ!?」
明らかに焦った顔をしているし、私から逃げるように視線を逸らした。
「うわき?」
「しないよ!!」
「じゃあなに?」
彼は私の視線から逃げるように泳ぎまくる。そのまま顔も赤くなっていく。
「……むかし書いた、君への……らぶれたー……」
おわり
隠された手紙
2/2/2025, 1:26:47 PM