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 ぼんやりした頭をどうにか働かせて、作業を終えた頃には日が昇っていた。カーテンの隙間から降り注ぐ太陽の光が、だんだんと強くなってくる。
 ずっと座っていて凝り固まった体をググッと伸ばしてみる。首回りからボキッと音が鳴った。
 全身の力が抜けて、椅子の背もたれに体を預ける。天井を見上げて、眉間をつまんでもみほぐす。長時間目を酷使していたから、今になってどっと疲労を感じていた。

 ぐぅーぎゅるぎゅるぎゅるぅー

「お腹空いた」

 ぽつりと溢した言葉を意識すると、よりお腹が空っぽなことを理解してしまう。より一層激しくお腹が鳴った。

「お腹空いた!!」

 そうだ、コンビニに行こう。
 顔を洗うのもヨレヨレの部屋着から着替えるのも待ちきれなかった。だから私はスマホと家の鍵をしか持たずに外へ出た。
 空には雲が多く、太陽にかかっていた。まだひんやりした空気に包まれていて、夏らしさはまだ感じられない。何か羽織ってくればよかったと、冷え切った両腕をさすった。
 雲間から太陽が顔を出すと、辺りは一気に明るくなる。温かい日差しが私にも届く。

「あっっつ! まぶしっ!」

 徹夜明けの朝は、体が溶けてしまいそうなほど強く感じた。


『朝日の温もり』

6/9/2024, 11:02:08 PM