このえ れい

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 笑った顔を見るのが好きでした。私と遊ぶとき、楽しそうに笑う顔が好きでした。ご飯をくれるときの、「お手」と言うちょっと真剣な表情も好きでした。お散歩のとき、私に笑いかけてくれるその声が好きでした。あったかいお布団の中で、あなたの腕の中で眠るのが好きでした。いたずらしたとき、呆れた表情をして私が散らかしたものを片付けている背中が、とても優しくて好きでした。仕事で疲れて帰ってきたあなたを少しでも慰めたくてそばに寄り添ったら、あなたは泣きだしてしまった。わたしの首に腕を回して涙を流すあなたを、抱きしめてあげたい、と何度思ったことか。
 あなたと共に笑い、泣き、遊び、ときには衝突しながら生きた日々は、わたしにとって宝物でした。
 今、わたしの寿命は尽きようとしています。あなたが最後までわたしのそばにいてくれて、本当に嬉しい。
 ねえ、泣かないで。わたしは幸せでした。あなたと出会えて、あなたと暮らせて幸せでした。
 最後に、あなたの笑顔が、わたしが大好きだったあなたの笑顔が見たい。ほら、笑って。あなたは、笑顔が一番素敵なんですから。
 生まれ変わったら、必ずあなたの元へ帰ります。それまで待っていてくれますか?
 ああ、あなたの体温が温かい。
 愛するただ一人のあなた。また会う日まで、どうか幸せに。

11/13/2023, 3:37:19 PM