ショッピングモールで買い物してたら、どこかの家族の幼い娘さんがギャン泣きし始めた。
耳を塞ぎたくなるくらいの大音量で、周りの人達の視線が一斉に注がれる。
若い夫婦は焦り戸惑い、一生懸命娘を宥めすかしている。
私はといえば、奥さんと娘達がコスメを物色している間、手持ち無沙汰に廊下をウロウロしていたところ。
何となく、ホントに何となく、足を止めて、ギャン泣きしている子供とその家族を眺めている。
自分にも、こんな時代があったんだな。
そんなことを考えながら。
若い夫婦だった時代もあった。
親を困らせるほどギャン泣きしていた時代もあった…たぶん、覚えてないけど。
今や、いっぱしの大人みたいな顔して、おやおや、大変だねえ、みたいな立場で傍観している。
イイ気なもんだ。
そんな、イイ気な立場から言わせてもらうと。
声が枯れるまで泣いていいよ。
泣いて想いをぶつけられるのは君達の特権だ。
でも、きっと君の願いは届かない。どれだけ泣いたって。
どれだけ君が可愛い娘でも、親にだって叶えてあげられない願いもある。
何だって叶えてあげたいけれど、出来ないことだってあるんだ。
だから、声が枯れるまで泣けばいい。
泣いて、泣き疲れて、ああ無理なんだと気付いて、世の中というものを少し覚えて。
きっとそうやって、私は大人になったんだと思う。
まあ…とはいえ、耳をつんざくような甲高い泣き声は、この距離ではなかなかツライものがある。
やっぱり、飴玉あげるから泣き止んでくんないかな。
そしたら、家族皆で楽しく買い物が出来るんだけどな。
現金なおっさんでごめんなさい。
10/21/2024, 12:20:22 PM