星屑

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新生活を迎えるために、この街を出ることになった。
「早いとこ荷物をまとめなきゃ、これは捨てて、これは持ってって、、、、なにあれ?宝物ボックス?」
余程大事にしてあったのだろう。
それは普段目につかない場所にあった。
「懐かしいなー、」
ボックスを手に取りそっと蓋を開ける。
中には幼少期の頃大事にしていたおもちゃと1枚の便箋が入っていた。
手紙を開くと、拙いひらがなで“ぼくとけっこんしてください”と言う1文。
子供らしいなと思いながら。クスッと笑った。
どうやらこのことだったらしい。
「おーい、準備できたか?」
下から、荷運びを手伝ってくれている幼なじみの声が聞こえた。
私は懐かしい便箋を握りしめ幼なじみの元へ駆けていく。
「プロポーズは2回目だってこのことだったのね」
私がそう言うと、驚いた顔をしながら
「、、、やっと思い出したか」
と彼は笑った。


5/6/2025, 3:40:44 AM