ににににににに

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#病室

「大丈夫?」
窓の外をぼんやりと見つめていると、後ろから声が聞こえて振り返る。こさめが笑って問いかけ、そばにりんごを置く。でこぼこで明らかに最初見せてくれたものより小さなりんご
不器用ながら必死に剥いたのだろう

「ありがと」

「病院、たのしい?」
そう、無邪気そうに笑うこさめを反射的に睨む
「ちょっとー、なんで睨むの?こさめがなつくんを病院に連れてきてあげたのに」

「その俺を病院行きの体にしたのはお前だろ」

「んー、」
こさめが青紫になった俺の腕をぐっと指で押さえつけ、つい小さく悲鳴をあげる
「あははっ、そうだね、ごめんね」
そう言うと同時に俺の首に手を伸ばしてくるこさめ
危ないと頭で考えるよりも先にこさめから逃れようと体が動くが、病院に入れられたばかりだからなのか、元からなのか、こさめの何倍も遅い

「あ゙ッ」

「ごめんとは、思ってるよ」
首を絞められ押されて、体が窓の外にでる
このまま押されたら、このまま意識を失ったら、このままこさめが身を乗り出したら。その後の事を考えたくなかった

「ぢょ、こ"さっ、」

「…あー、やっぱり、なつくんって」
「………面白いくらいにやさしいね」

8/2/2024, 6:00:13 PM