両親を亡くし里親のもとで暮らす
2年経つが、まだ馴染めていない。
「尾鷲でクマが出たそうです。ここからも近いですので、帰りはみなさん一人にならないように、寄り道しないでできるだけ早く帰ってください。
それでは終礼
「藤野ちゃん、」
呼び止められる
「みんなと山に行くんだけど藤野ちゃんも来ない?
「あー……ごめん。今日やることあるから」
「そっかー。じゃあまた今度ね」
「うん。」
手を振って帰っていく。手を振りかえす。
下校の道からそれ、子供がいなくなり
店に入り。米を買う
「いつもありがとうね」
一人山に入り、ラジオを聴く
水晶のような翡翠の透明の石をはめて
電波が入ってくる
父の形見だ
帰り、鉄橋で怪物に襲われる
教室の天井も突き破ってしまいそうな大きさ
こちらに気付き近づいてくる
車を丸ごと飲み込めそうな大きな口が開き
大きな歯から涎が滴っていた
それが先生の言っていた「クマ」だと分かった
食べられる
「嫌っ
走って逃げる
少年が助ける
「ねぇ!あなたあれが、あのクマみたいなの、何か知ってるの?」
父の書類を漁る
文献の資料に同じ姿のものがある
地下には世界があり、そこには死者と会える場所がある。
両親ともう一度会える
君を探して君に会いたくてここまできた
3/15/2025, 8:28:38 AM