転生したい民

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2026/04/30

夢を見なかったから、今日起きたことを話すわ。
今日はやることが多くて中々眠れなかったの。

私は生まれてからすぐ妹の世話役になって、娘らしい扱いをされたことなんて一度もなかった。
この世界は私の読んでいた漫画の世界と似てるけど、私のこの体は誰のものか見当がつかない。
ただその分、罪悪感を感じることはないし自由に生きれると言うもので。
でも、妹の世話役になったからには私に自由なんてなかった。
私がそう思ってるということは、たぶん妹は何倍も自由を望んでいるんだろうと思う。

それからしばらくして両親が亡くなった。
別に情なんて湧いてるわけがなかったが、一応娘なので泣いておいた。
その後、私と妹は…。
というか妹はその美貌から、聖下に気に入られ、教会で暮らすことになった。
私はあくまでも世話役だったけど、聖下もその弟子さんたちも、私を一人の人間として見てくれた。
それが、ただただ嬉しかった。
弟子さんと、妹と、教会を抜け出して夜の街に出かけたことがあったな。
行きつけのお店で匿ってもらって、みんなで飲んで語って…。

話が長くなったから、昔話はやめようと思う。
それで、今日はそな教会から出て、公爵家に住むことになったので、その荷物整理やらなんやらをしていて眠れなかったのだ。
私だけの呼び出しだったから妹は行かないことになってたけど、手紙が来た時からずっと怒っていて、聖下も却下の手紙を何通か送ったみたいだった。
私も正直…行きたくなかった。
でも、“あの”公爵様の命とあれば、行くしかあるまい。
それに、漫画を読み尽くしこの世界のことを知り尽くしている私が、公爵様を利用しないわけにいかない。
やるからにはとことんやる。
何かをなくしてでも。




















でも本当は、私を認めてくれた人達を、この楽園を置いて行きたくはなかった。

4/30/2026, 2:03:42 PM