宛名のない手紙を綴る。書いては消してを繰り返し、悩みながら便箋を文字で埋めていって。宛名を書いたところで、出す勇気なんてない。だからこれは、自己満足にしか過ぎない。そうやって頭で理解していても、伝えたい気持ちが溢れて、溺れてしまいそうだから。だからこうして、想いを言葉に変えていく。届かぬ想いを手紙に込めて。いつか手紙を出せる日が来るまで、もしくは直接伝えられるようになるまで。想いと一緒に、そっと便箋に封をした。
4/15/2024, 6:08:33 PM