ノブメ

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L「ただいま、遅くなった」
P「おかえり!先にお風呂入っちゃった。メッセージ読んだ?ご飯二人分買ってきたの冷蔵庫入ってる」
L「ありがとう」

廊下とソファから会話を交わす。Lは鞄を玄関に置きっぱなしにしてそのままキッチンへ入る。
石鹸で手を洗い、冷蔵庫を開けて中の焼きそば弁当を手にとる。半額セールのシールが貼ってある弁当のフタを外し、ラップをかけて電子レンジへ。

P「ねえ、今日も遅く打ち合わせだった?」
L「あ…、うん、まぁ」
P「そっか、おつかれだね」
L「うん…」

電子レンジがチンと音をたてた
焼きそばを取り出し、Lがテーブルについて箸をとる

L「あのさ」
P「なに?」
L「いや、なんでもないや」
P「そう」

帰りの電車で携帯の画面から見た同級生のニュースを思い出しながら、焼きそばをかきこむ。

P「今日はいつもよりおつかれっぽいね」
Pがソファを立ち、Lの向かい側にある椅子を引いてその上に座る。

L「まぁ…、そうかな」
顔を上げて、Pを見る。
画角の真ん中に鎮座するP。
それを囲む白い壁と白色蛍光灯の光。
視界には入らないが、脳裏に浮かんだ玄関に置かれたままの鞄。
携帯電話。

P「私も疲れちゃった」

上目遣いな表情が目の前に浮かんでいる。
空中に固定されているみたい。

L「美味しい、コレ」

半額の弁当を食べながら、このまま二人でずっと、この部屋から何処にも出られなくなってしまった気がした。

「−愛と平和−」

3/11/2023, 9:22:42 AM