圧倒的にペンギン

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【question】


家。

「あれー?ビンのフタが開かない」
妹が何か騒いていた。

私は仕方なく言った。
「は〜。まったくやれやれ。これだから女は非力で困る。ほれ、お兄ちゃんに貸してみな」

私は妹にビンを借りると持ちうる限りの力を総動員して回そうとした。
「ふん。ヒギィィィーー」
しかし。開かない。何だコレ。

「あれ?あれだけ言っておいてまさか開かないの?ダサ」

妹がちゃちゃを入れてくるが気にしたら負けだ。

「あああぁぁぁぁーーぎぃぃぃーーうぉぉーーー」
私は持てる力を全て振り絞った。
摩擦で肉はそげおち骨もボロボロになっている。
ピキッ。ゴキュ。パカ。

「ヤッタァーーーー」
ついに開けることに成功した。
しかしその代償は大きく右腕は変な方向に曲がっており感覚もなくなっていた。

「どうだ!」

すると妹は
「あれ?これよく見たら空だ。開けたかったのはこっちだった」
と言って別のビンを取りだした。

─その後
実はそのビンは調子に乗った男性を懲らしめるための道具だったらしい。
私がそのことに気づいたのは左手も犠牲にしたあとだった。

3/5/2025, 11:26:44 AM