赤く色づいた葉が風に舞い、視界を鮮やかに染め上げる。落ち葉の向こう側で、静かに彼女は笑う。遠くを見つめる目は、離れてしまった同胞を思って揺れている。それでも、瞳の煌めきは消えない。赤く揺らめく炎の如く、燃え続けている。――美しい。素直にそう思う。彼女には赤がよく似合う。誇り高く、苛烈で、それでいて慈悲深い。夏のような彼女は、この燃える赤を宿した葉よりも鮮やかだった。
10/7/2025, 9:33:10 AM