秋がまぶしいね
西陽の射す街路に風が吹けば
赤や黄色 とりどりの葉が
扇をひるがえすように空を舞いながら
陽射しをあちこちへ照り返している
ツヤツヤとはしないオンコの実の優しい色と甘い香り
烏が胡桃を拾って来ては道路にほうっている
リスたちが忙しなく走りまわり
時々路上で干物になっている
お腹を膨らませた鮭たちが
ぼろぼろになりながら川を昇っている
いのちが駆け足でまわって まわって
誰もが実りを蓄えることにも
差しだすことにも余念がない
少しずつ厚着になって丸くなっていく君のシルエット
じんわりと冷えていく風がオンコ色に染めた君の頬
ひらひらとふりつもる落葉は桜と同じ美しさだ
冬が来るよ
指先から紅葉していく君の手のひらが差し出され
金色の光をひとひら照り返す
秋がまぶしいね
『秋🍁』
9/26/2024, 12:52:48 PM