『生きる意味』17/148
生きる意味、とは。
生物学的に言えば、子孫を残すためだろうか。
経済学的に言えば、社会を発展させるためだろうか。
心理学的に言えば、将来を楽しむためだろうか。
「生きる」という言葉に似た意味をもつ「不死」について考えてみよう。
不死、とは。
真っ先に思い浮かぶのはかぐや姫の物語、不死の薬だ。
かぐや姫が月に帰ってしまうのを悲しむ翁と嫗たちに、形見として不死の薬を贈る。しかし彼らはかぐや姫がいない世界に留まり続ける意味はないと薬を焼き捨ててしまう、という話だ。
このように、不死とは世界に不変の価値をもつものが存在しないと全く意味のない状態となる。
生きる、とは刻々と変化する物事の価値を探し求め、それを見失うまいともがき続ける連続した行為である。
その行為の意味は、自分が自分である事を認めるため。
自分と物事を価値で結びつけ世界に留まり続けるため。
そしてその方法を探すことが、私たちが生きる意味だ。
4/27/2024, 1:15:02 PM