多田野一人

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無色の世界
モノクロの写真に写る、あの人の姿…本当は、普通のカラー写真なのに、背景も、顔も、古い写真の様に、色が目に入らなくて…つい、この間迄、あんなに、想っていた筈なのに…そして、そっと、接吻して、愛の詞を囁いていたのに…
急に、告げられた、別れの言葉…何となく予感していて、覚悟していた筈なのに…あの日から、周りの何もかもが少しずつ色褪せ始めて、滲んでゆく景色と日常…そして、気が付くと、あの人の記憶が、どんどん遠い闇に吸込まれていく…

4/18/2024, 3:19:28 PM