Ray.O@創作

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【落下】

 ぷつん、と何かが切れてしまうことがある。帰りの電車、布団の中、ふと空を見上げた時、どんな瞬間でも、やりたいこと全てが無意味なように感じて、全身を保っていた意識という意識が落ちてしまうことが、ある。

もう何もしたくないと、泣きたくなる時だってある。自分が嫌になって仕方がなくなる時だってある。泣き叫んでも何をしても夜が明けなくて、ただただ画面だけ追いかけている日もある。

落ちていくのが怖い。気持ちも、自分自身も、周りからの信頼も、全てがあっけないもののように思えて、無性に生きていることが恐ろしくなってしまう夜がある。

でも、言えることがある。高さ10メートルから落ちた先のコンクリートより、一人で潜った食塩水より、手首に当てた冷たい金属なんかより、心の奈落の方がまだ暖かい。心が寒いから、しばらくはまだ自分の奈落に埋まっていよう。自分に向き合ってあげよう。しんどいよね、何もしたくないよね、頑張ってるよって、言えるようにしてあげよう。

いいお天気の日に布団を干すように、元気な時に、自分の心をなるべく、羽毛布団みたいに柔らかく優しくしておこう。落ちても怖くないって言えるように。

あなたにとってあなたが、私にとって私が、安心できる着地点であり、出発点であったらいいな。

6/18/2024, 1:48:59 PM