NoName

Open App

季節外れな手持ち花火を持って私は海を歩きました。
びゅうびゅうと吹き付ける風がまるで割れてしまった硝子の破片のように私を傷つけました。


天使が私をさしました。
私は天使にさされました。

いつもよりひどく透明な海の中に身を沈め
おいて行かれた手持ち花火を恨みがましげに
私の脳みそは透明な液におかされてゆくのです。

私をさした天使たちは皮肉気に笑い
地を歩いていくのです。

11/17/2024, 12:08:04 PM