微睡み

Open App

流れ星に願いを
------

多分誰もいない、
灯りがなるべく目に入らない場所を探して、
夜露で濡れた芝の上に、
お一人様サイズのレジャーシートを敷く。

その上に寝転がる用のクッションシートを置けば、もう完璧。

お一人様用天体観察特別席の完成だ。

ちょっと寂しいので、
各地の流れ星中継をイヤホン越しに聴きながら、ごろんと特別席に寝転がる。

まだ天の川も見えない。
目が慣れるまで、ぼーっと眺める。

ちょっとずつ星々が見えてきたら、
あとは、見える範囲いっぱいに視野を広げて、動くものに反応するだけ。

あれやこれやと話をする声を聞き流しながら、
ただただ、その一瞬を待つ。

一つ、二つ、三つ、と
タイミングも場所もバラバラに散っていく石ころ達の最期を見届ける。

願い事を唱えることなんて忘れていた。

聞き流している話し声が、願い事の話をしていて、やっと思い出していた。

そういえば、流れ星には願い事を3回唱えるもんだったな、と思い、
どこかで聞いた、おそらくなんだかんだ欲しいものであり、もしかしたら流れ終わる前に言い終える可能性のある願い事を3回唱える。
「かね、かね、かね」

一人、風情が無いなぁと笑ってしまった!

4/25/2024, 5:22:34 PM