椋 muku

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今日、君は私に勉強を教えて欲しいと頼んだ。放課後、一緒に残って…と上目遣いでお願いをしてきた。私は断れず君のお願いを受け入れた。

放課後。英語を教えてと頼まれていたはずなのだが、君は一向に英語の教材を出す気配が見えない。卒業までのカウントダウン。先生から頼まれたのはいいけど、私といる時にまでやらないで欲しい。でも君のわがままを許してしまう私もきっと甘すぎるんだろう。

「英語は?」

と尋ねると

「んーあともうちょっと」

って返ってくる。永遠にこれの繰り返し。

結局私は君に教えることなく帰ることになった。私は君と一緒に帰れることが嬉しかった。でも2人きりなんて到底なれるわけはないし、2人きりになったとしても君は私なんかに興味がないから進展する訳でもない。意味なんてない。それでも私は君と一緒にいたかった。何事もなく無事に帰った。のはいいのだが、勇気を出して手を繋げなかった自分がとても悔しい。あー今日もまた何もできなかった。青春というものは急に進展したかと思えば急に距離を感じたりと日々を目まぐるしく感じる。楽しくて苦しい。
布団に潜ってからも眠れぬほどに君のことを考える。私がこうしていたら…明日はどう接しよう…君のために何か女の子らしいことをしようか…眠れぬほどに無数の考えが行き交う。私は夜も眠れぬほどしまいには、君のことが好きなんだな、そう思って今日も眠りにつく。

題材「眠れないほど」

12/5/2024, 12:25:01 PM