「あーちゃん!手!」
「も~!早いって!しゅうくん。」
隣に住んでいるしゅうくんは私と仲が良いんだ。
幼なじみって言うんだってママが言ってた。
これからもずっと一緒にいられたら
楽しいだろうなぁ~。
「あーちゃん!聞いてる?」
「う、うん!」
私は手を握り返した。
「婆さ……、あーちゃん。お手をどうぞ。」
「あらあら、ふふ。ありがとうねぇ。
しゅうくん。」
そんな呼び名で呼んでいたこともあったねぇ。
もうお互いに歳もとって少し照れ臭いけど……、ずっと楽しませてもらったよ。
お爺さん。
「婆さんは考え事が好きだねぇ。」
「ふふ、お爺さんのことを考えていたのよ。」
私は手を握り返した。
私は子供の頃からこの掌が好きだった。
7/14/2023, 11:25:53 AM