葦田香亜流沙/あしたがあるさ

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もしも未来を見れるなら4/20

「そこのお嬢さん。ちょっと未来を見てみんかい?」
 下校中、怪しげな少女に声をかけられた。
 だが、纏う空気と喋り方は、どうも少女のものとは思えない。
 普段ならそこで素通りするだろう。だが、立ち止まってしまった。
「五分につき、寿命一日で見せてあげるよ。いい話だろう?」
 私は迷った。
 見てみたい。喉から手が出そうだ。
 好きな人と付き合えた?
 ちゃんと夢を叶えている?
 もしかしたら、宝くじや万馬券の番号も見れるかもしれない。
「買います」
 と言いかけた喉を抑え、考える。
 いや、ここで寿命を売ったら、死ぬとき、とても後悔するだろう。それだけは嫌だ。




「未来を失ってまで、見たい未来はありません。」






 未来は、わからないから未来なのだ。
 私は、迷わず歩き出す。


 




 一秒先も、分からぬ未来へ。

4/20/2026, 8:36:41 AM