『赤い糸』古くは縄だと思ったが、神に頼る者はとかく赤い糸やら紐やらを結びたがるな。己の守護や幸運を願い、その繁栄を神に委ねて契りたいか。見えない糸に目を凝らすより、沸き立つ血にでも耳を澄ませたほうが早そうなものだ。出会えた相手が既に誰かの気まぐれで、他の誰かと紐結ばれていては堪らないが。千切れる想いに身を焦がすのも運命ならば、果たして神の定めし幸福とやらが、僅かな個人の望みにも叶うと良いのだがな。
6/30/2024, 1:36:15 PM