「2人ぼっち」
何もない、白色が広がるだけの空間に飛ばされてから二時間が経過した。ひたすらに歩いてみたが、何もない。
不思議と不安はなかった。わたしには公がいるから。
「…うん、扉も何もないや。通信も繋がらない。」
「でもね、そんなに絶望してないんだ。貴方と一緒だから」
「何年振りだろうね。最近はいっぱい人がいたから、一緒に話すことも少なくなっちゃったから、少し嬉しいかも」
「…」
「ねぇ、王様。私ここで死んでも良いわ。」
「貴方と一緒にいられるなら、貴方と一緒に死ねるなら」
壁にもたれかけるように置かれた死体は、すでに腐敗が進んでいた。
3/21/2024, 2:08:39 PM