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「雪明かりの夜」

先週までは十年に一度の暖かさ、なんて言って二十度近くになるような過ごしやすい気温だったのが、嘘のように急に冷え込んだ。寝室に入ると冷たい空気が身体を覆って、キンと刺すように冷たい。すぐに布団に入るとはいえ、この寒さでは寝られない。慌てて暖房のボタンを押した。部屋が温まるまでは仕方ないから毛布を被って耐えるしかないか。

最近のエアコンは性能が良い。あっという間に部屋は暖まって快適な温度になる。暖房を付けたまま寝ると、乾燥で朝の喉が酷いことになるので一度消して、朝方にもう一度付くように設定した。これで明日の朝に布団のぬくもり負けずに済むだろう。

照明を落として、布団に潜る。枕元のカーテンの隙間から薄ぼんやりと光が漏れているのが、やけに目についた。外の明るさの原因が気になって、電気は消したまま、身体を起こしてカーテンを捲る。外には真っ白な雪が積もっていて、街灯の明かりを反射してうっすらと輝いていた。誰にも踏み荒らされていない綺麗な雪は眩しくて、なるほど雪明かりの夜の読書はそれは高尚な楽しみだったのかもしれない。月明かりよりは文字もよく見えそうだ。

外の寒さを受け止めた窓はひどく冷えていた。一度部屋が温まったことで結露した窓に触れると、冷たい水が指先についた。寒い。カーテンを戻して布団に潜る。キンキンに冷えた窓からの冷気をカーテンが押し留めてくれる。暖房を消したせいで再び冷え始めた部屋の空気が、布団の中に入り込んだ。こんな寒さの中で読書なんて、出来たものじゃないな。

12/26/2025, 4:02:38 PM