『また会いましょう』 2024.11.13.Wed #2
【実体験】
「じゃあ、またね!」
そう言ったことを後悔している。
これは、私が小学生だったときの話だ。
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私は小学3年生からスイミングスクールに通っていた。テストをどんどんクリアしていき、そこで言う4級になったときだ。4級になったために時間帯がずれることとなった。いつも一緒だった友達もいなく、不安だった。そこで出会ったのがM君だった。
「聞こえないの?耳につけてるの」
そう、私は難聴なのだ。人工内耳に防水のカバーをつけて泳いでいた。私は初めて、こんな風に興味を持たれたことが嬉しかった。
「うん、そうだよ!これをつけてると聞こえるんだ!」
嬉しすぎて興奮してしまい、大声になってしまった。
「あ、ごめん」
「ふふふ」
その日はそこでさようならだった。
また次の週。
「あ」
「よっ」
手を上げて挨拶してくれた。名前は知らない。私もまだ自己紹介してないし。でも、名前はなぜか教え合わなかった。
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小学5年生の春、私の学校では全校生徒の前で転校生が紹介される。
「それでは!新しくこの学校にきてくれたお友だちの紹
介です!こっちに来てくださ〜い!」
明るい先生に連れてステージの上に現れたのはまさかのY君だった。
「え?!なんで…?!」
「おぉ、びっくりしたぁ」
「あ、ごめん」
「何?aomisちゃん知り合い?」
「え、まぁ…」
「え〜!知らなかったんだ笑」
「じゃあ、自己紹介をしてくれるかな?」
先生の声でみんながY君に集中する。
「M小学校から来ました、M(=名字)Y(=名前)で
す」
私はそこで名前を知った。M君、なんでここに来たんだろう…?
始業式が終わった後、私はすぐにM君のいる教室に向かった。だけど、教室にはいなかった。
「あれ、いない」
「あ、aomisちゃん!誰か探してる?」
「あ、いや、なんでもないよ!」
今のめっちゃ怪しいことしちゃった。大丈夫かな笑
それにしてもどこ行ったんだろう。あ、転校生だからすぐには来ないよね!そうだ、そうだ。
「うわっ」
「うわ、ごめんなさっ…、あ!」
後ろ向いた瞬間にぶつかり、ろくに相手も見ずに謝ろうとしたけど、相手を見ると第二の衝撃を感じた。
「おぉ、いたいた」
「なんでここに来たん!ってか名前M君なんだ」
「え、待って嘘でしょ、俺の名前全然呼ばんなぁと思っ
たら知らなかったんかい。いやぁ、家の事情でね」
「あ、なるほど」
すると周りがざわつき始めた。どうやらこっちを見ているらしい。
「あれ、aomisちゃん知り合いなん?」
「おい、M、aomisさん狙いで転校したとかありえるぞ
笑」
「なんであそこあんな仲良いん」
「んじゃ、また後で話そ!」
「あ、はーい」
とりあえず分かれて注目されるのを避けようとした。その日の帰り、そこでもM君がいた。
「あ、こっち一緒?」
「うん、途中までね」
M君と一緒に帰れるのは嬉しかった。でも、私にはもともと一緒に帰っていたHさんがいたため、3人で帰ることになった。
「どうも、Mです」
「どうもー、Hだよ。どこから?」
「M小学校から」
「あね!思ったより近い笑」
「まぁ、ちょっともったいない気もしなくはないかな
笑」
「こらこら、自分たちに会えたんだからいいでしょ」
「そうだねー、早速友達出来ちゃったし」
なんだかもう仲良くなってる。なんだかモヤっとした。
「なんかもう仲良くなってるね笑」
「え?普通に話しただけだし、うちが仲良いのはaomisだ
よぉ」
「aomisさん、友達多いんだね」
「あ!さん付け!さん付けするタイプ?」
「まぁ、普通そうじゃないの…?」
「なるほどなるほど」
「なんだよ笑」
次の日も次の日も毎日3人で帰るようになってからは孤独感を感じるようになってしまった。たまに2人が前、私が後ろで1人という、悲しい構図になっていた。だから3人は嫌いだ。
そうなっていたある日、途中でM君と分かれて、Hさんと一緒に帰るとなったとき、私は泣いてしまった。
「?!な、え、どうしたん!?」
「いや…、っ…なんでもないよっ…」
「…ごめん。Mと話したかったんよね…?つい夢中にな
っちゃった…」
「…」
「ねぇ、もしかしてだけど、あんたさ、Mのこと好きな
ん?」
「え?」
唐突な質問に戸惑った。え、M君のことが好き…?いや、そんなことな…い…、え…?
「あぁ、なるほどね。まだかぁー、あいつ何してんだ。
ごめん、今の忘れて」
この日から私はすっかりM君のことを意識してしまった。休憩中に見かけたときも、授業でたまに一緒になったときも、帰るときもずっとM君のことを見てしまっていた。ある日、Hさんが休みだった。久しぶりに2人きりで話すから、少し緊張していた。
「今日、休みだよね?」
「うん」
「そっか…」
残念そうにしているのを見て、ますます「あ、これはもしやすると…」という思いが強くなった。でも、その思いはすぐに消え去った。
「ね、名前さ、呼び捨てで呼び合わない?俺、aomisって
呼ぶわ」
「え!いいよ!じゃあ、自分はYって呼ぶね!」
「ふふ」
男子とこんな会話をするのが初めて、心臓の音がうるさかった。自分がYと呼んだ瞬間、笑顔になったのを私は見逃さなかった。
次の日、本当に名前で呼んでいいんだよねと不安だったが、勇気を出して呼んでみた。
「Yー?」
「んー?」
「Hさんはどうするの?」
「いや、HさんはもうHさんしかなくない?」
「それは分かる」
私だけ名前で呼ばれてるんだと実感して、すごく嬉しくなった。でも、Hさんが傷つかないか心配だった。また次の日、Hさんが学校に来た。
「え、なんか変わった…ね?呼び捨て?」
「あ、うん。Yがそうしようって」
「ふーん…、じゃあ自分もYって呼ぼっかなー」
「急に呼び始めたらびっくりしちゃうでしょ笑」
このときは笑ったけど、心底やめてほしいと思った。Hさん、Yに出会ってから変わった気がする。Yのことを狙ってるように私には見えた。
【作者から】
まだ途中です
会話文多めになっちゃう…
11/13/2024, 10:09:16 PM