足り過ぎた贅肉

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朝食を食べ終わって自室に戻ると、部屋の片隅で黒い何かが丸まっているのに気が付いた。
奴の使い魔のコウモリではない。
奴とコウモリは魔女から急ぎの用事を頼まれたらしく出掛けている。
じゃぁ、アレはなんだ?と1歩前へ踏み出す。
ヴァンパイアハンターを職としているからか、こういった場面で躊躇はしないのだ。

近付くと丸い塊から、猫の耳がピンと生えた。
耳はこちらを向いて音を探っている。
なんでオレの部屋に猫が?
更に1歩前に出ると丸から足が4本生えた。
うん、やっぱり猫だ。
どうして部屋の片隅に?
もう一歩前へ出ようかと足を上げた所でそれは素早くドアに向かって駆け出した。
しまった、ドアは開けっ放しだ。

が、すぐに後ろのドアから声がした。
捕まえたぞ、この子猫め。あの時の恩返しとして大人しく捕まっブッ!!

後ろにはいつ帰ったのか奴が居り、引っ掻かれたであろう顔を押さえていた。
そしてそのさらに後ろで魔女が猫を抱いて立っている。

この部屋に逃げ込んでいたんだね。あの時の猫だよ。コイツが助けたっていう。アタイが引き取ったんだ。まさか猫又だったとは思わなかったけどね。とりあえず捕まえたお礼にラーメン屋のニンニク増し増し券と喫茶店のコーヒー券でいいかい?後で送るよ。

そういつもの様に一気に喋ると魔女は猫と帰って行った。
頭が混乱している。猫又って言った?
とりあえずこの吸血鬼をどうにかしないとな。

全く、朝からドタバタの1日の始まりだ。
(部屋の片隅で)

いつぞや助けた子猫の再登場。吸血鬼さん破傷風になっても死なないから安心して下さい。

12/7/2024, 12:56:25 PM