夏の雨

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「ごめんね…」
「……………」
「ごめん………」
何度も謝るが、相手は返事はしない。だって…
もう息はしていないんだから。

「また負けた!」
「いや私は強くないよ?あんたが弱すぎるだけ!」
「なんか煽られてるみたいなんだけど…」
「違うからw」
「……あの、さ。いいたい事が、あるんだけど…」
「???なに?」
「その………ごめんね」
「え?なに?どゆこと?」
「…わたし、その…」
ガチャッと何かの音が部屋に響く。黒光りしたそれを突きつけると、親友は驚いた顔をする。
「こうするしか、ないの」
「そっか………恨んでるわけじゃないんだよね?」
「うん…その、親からの命令で…殺さないとわたしは…」
「そっかそっか…それなら仕方ないよね。いいよ」

「……え?」
なんで?だって誰だって殺される時は絶望してる。それなのに目の前にいる親友は笑顔で笑ってる。
まるで知っていたかのような。
「知ってたの?」
「まぁね。予想はしてた」
「でも!殺されるんだよ?やり残したいこととか…」
「ないよ。あんたといるだけでもういいから」
「だ、だ、って…」
「ふふw早く殺さないと悲しくなってくんじゃん…?」
そう言って親友は自身の頭に拳銃を突きつける。
「っ!だめだよ!そんな…」
「楽しかったよ。じゃあね」

銃声が部屋に響いた。


「いやだ…!いやだよ!親友はただ1人だけなのに!」
親の命令なんて聞かなきゃよかった。あぁ、わたしってなんて馬鹿なんだろう。

「ごめんね……」

#「ごめんね」

5/29/2023, 11:55:06 AM