鏡に映る像というものは、
全て等しく虚像らしい。
本当の自分ではない存在。
いや、元々の像など光の集合体なのだから、
そんなことは当たり前かもしれないが。
物語には鏡の中の世界というものがでてくる。
ならば、それはつまり
光は反射せずに真っ直ぐ突き抜けていくわけだから、
人はその世界を視認することができないのだ。
そう考えると、あながちその設定もおかしくはない。
そんな、自分とは全く別ものの、現象を映すだけの鏡は、しばしば人をも混乱させることがある。
良くも悪くもその通りに映し出す鏡は人の容姿の美醜など全く気にかけておらず、相手の気持ちなど全く考えてもいないくせして、あたかも鏡の中から責め立てているように錯覚させるのだ。
なんとも、迷惑な話である。
11/3/2024, 1:08:19 PM