黒山 治郎

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私の身体に染み渡る声で
貴方は“別れるかもしれない”なんて
ちょっぴり残酷なことを言う。

それも、酷く酔った夜に寝てしまう直前で
それが怖いなんて、怖気付きながら
心底、細く弱った声で言う。

理想と現実に苛まれる事を恐れるのはお互い様だ。
けれど、その感情を知る前に
未知だからと切り捨てるには
私達は互いに情が募りすぎた。

過去に、聞いてと誰かの裾を引いた時
幼かった手は簡単に振り払われたけど
貴方は聞く度、色んな“返事”をくれた。

振り払わない人は、それだけで珍しかった。

振り払わない理由が知りたくて
色んな時にも聞いてみた。

どんな時でも、貴方は変わらず返事をくれた。
好きだと伝えた声も言葉も欠かさない人だった。

これだけ沢山の言葉を丁寧にくれたなら
いつか、来るであろう別れの言葉も
貴方はきっと欠かさないんでしょう?

なら

私、貴方を諦める気には到底なれない。
さようならの、その後でも
丁寧な貴方なら言葉を返してくれるでしょう?

信用が拗れた確信犯へ
貴方が根負けして笑い出すまで
“友達”として傍に居座ってやるつもり。

ー big love! ー

なんて、純粋なだけでは終わらない。

4/22/2025, 7:28:43 PM