次郎

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『やわらかな光』

優しい月の光が

あなたの横顔を照らしている。

あなたは無言のまま、

長い間、その月を眺めては、

何かを言いたそうな表情を浮かべている。

私は、

それに気付かないように

月の光で少し明るくなった

足元を眺める。


言いたい事はわかる。

あなたが何を伝えたいのかも。


だけれど、それは余りにも残酷で

私はあなたの言葉を受け止めれる自信が無かった。


あなたのその優しい口元から

どうしようも無い現実が帯びてくるのが恐い。


この世はどうして、

こんなにも無情なのだろう。

どうして、私が大切にしたい人ばかり

居なくなって行くのだろう。


泣きたいのはあなたなはずなのに。

私の足元には、たくさんの涙が

優しい月に照らされ落ちて行く。


私は、どうかその月の光に

あなたが気付かないように、ただただ願った。

10/16/2024, 2:02:40 PM