理想郷
10月の新潟駅。
夜行バスで、到着した早朝は寒かった。
朝早くから経営している地元の岩盤浴に行き、シャワーを浴びた。
彼の実家に挨拶に行くまでに、
あなたが見せてくれたあなたの地元について知れるのがとても嬉しかった。
あなたの高校と、あなたが通った登校路、平日の昼間で誰も居ない河川敷。
川がとても広く、穏やかで、晴れた陽射しが心地よく、いつまでもそこに居たいと思った。
縁結びで有名な神社へ行き、ベタな、ハート型の絵馬に願い事を書いた。
そこから数ヶ月してあなたと別れることになったけど、
あの日わたしが過ごした一日は、夢のような場所だった。
日本には47都道府県、色んな場所があるけれど
あの時のあなたと私で行った、あなたの地元に私はいまだに恋焦がれている。思い出の中で、二度と出会えぬ理想郷。
24.10.31 エッセイ-理想郷
10/31/2024, 1:01:02 PM