それでいい
引き出しを開けると、あなたに貰った物が出てくる。
画面をスクロールすると、あなたが流れてくる。
アルバムを見ると、あなたの写真で埋め尽くされる。
気がつけばここ数年で、あなたの存在というものは、ぼくに深く、深く、ふかく根を張っていった。
それは、あまりに想定外のことだった。
ぼくとあなたの関係は、相性が良いワケではない。
…かといってビジネスライクかといえばそうでもないし、家族として、友達として、恋愛的に好き…といった、よくある愛をかたどったモノでもないのだ。
お互い、他に大事なものがある。他に想う人がいる。
いざって時はたぶん、ぼくらは……
……でも、あなたが居なくなったその時、ぼくは引き出しの中をどうすればいいんだろう。
アルバムも、写真も、どう片付ければいいのか……
ああ、考えてもしょうがないけれど、ただただそんな事で思考を巡らせ続けちゃったりするんだ。
もしかしたら、これも一つの愛なのかもしれない。
この気持ちをなんていうのか、なんて知らないけど。
今はまだ、それでいい。
4/4/2026, 11:56:20 AM