まるで魔王の前に倒れた勇者のように、横たわる。
まだやれる、と体に残っている力を集めて立ちあがろうとするが起き上がれない。
まだやり残したことがある。
自分を待っている人がいる。
このまま終わってたまるか。
必死に自分を鼓舞するが手足はもう動かない。
楽になってしまえよ、と悪魔が囁く。
しかしこのまま瞼を閉じてしまうと待っているのは地獄だ。
必死に意識を保とうと伸ばした手が触れたのはスマホ。
画面に光が宿り、ブルーライトが魔の力を焼き殺していく。
しかし目に入ったのは金曜日という文字。
そうか、明日は休みか…
じゃあこの世は安泰だ。
急に安堵が広がり、そっと瞼を閉じた。
眠気が泥のように身体中を駆け巡り意識を手放した。
1/14/2025, 11:41:09 PM