どうして
太陽が降り注ぐ、夏の日
屋根の上に寝転んで、空を見上げる
あの綺麗な空に問いかける
どうして、俺を置いていったの?
台風が来て、外も吹き荒れて
窓に打ち付ける雨が怖くて、ずっと帰りを待っていた
お母さんが帰ってくることを信じて。
でもあの日、ドアが開くことはなかった。
何日待っても、開かないドア
ドアが開いたのは、数日経った頃
知らないお兄さんが、手を差しのべて助けてくれた。
今、この家に住めているのもそのお兄さんのお陰だ。
時々、今みたいに思ってしまう。
どうして置いていったんだろうと。
まだ、さよならも、ありがとうも言えてないのに。
あの日から人も信じられなくて
雨の日も、今では嫌いになって
嬉しいこと、楽しいことなんて
すぐに悲しいことに変わって
そんな心に比例するように、顔に一粒の雨が降った
落ちないように部屋に入って、鍵をかけた。
激しい雨は勢いをまして
それと同時に音も、意識もどんどん遠退いていくのがわかる
俺の心の扉は、ずっと閉じたまま
1/14/2024, 2:40:30 PM