覗き窓の向こう

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お題:君と最後に会った日

悲しい別れでは、無かった。
お互いに、進むべき道を見付け、
その道が、分かれていただけ。
「いつか、会えたら良いね」
叶えようとも思っていないくせに、君は言った。
「きっと会えるさ、なんて言わないよ」
僕は、笑って言った。
それでも、友達であり続ける約束は、
絶対に破らないからねとお互いに誓い合った。

今だって鮮明に思い出せる、
あの、寒すぎた冬の夜を。
自販機で買ったココアを飲みながら、
公園のブランコに座って、ダラダラと会話をし続けた、あの夜を。
「もう、ココアを飲むような歳でもないんだがね」
毎年、同じ日にココアを飲みながら、
"友達"を懐かしむ。








6/26/2023, 2:42:40 PM