今年は桜を見ることが出来なかった。いつも寒い朝には白湯を飲んでいた習慣がただの水に変わった頃、私は久しぶりに散歩へ出た。
その瞬間、草木の匂いを孕んだ生ぬるい昼間の空気が身体を包む。白い日傘を差して、どこかワクワクとした気持ちで歩き出した。どこか間延びしたような緩い雰囲気があるのは、今日が休日だからだろう。
外を歩いていくと、冬のころとは変わって、様々な草や花が育っていた。濃い緑色が目に染みる。淡い青の小さな花の群れに、背の高い赤とオレンジのチューリップ、燃えるような濃いピンク色のツツジ。春の陽気を喜ぶように咲き誇っている。それを横目に楽しみながら、いつも通っている小学校の前へやってきた。日傘を傾けて、桜の並木道の下を少し見上げながら歩く。すでに葉桜だった。
まるで年の瀬のような身近な「終わり」を、ぬるい空気の中でひしと感じた。1年に1度しか見られない桜を、私はあと何度、見られるのだろうか。
4/18/2026, 6:02:41 AM