椎名千紗穂

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死を思う時、そこには同じように生を思わなくてはいけない。
生を思う時、そこには同じように死を思わなくてはいけない。

両者はさながら溶け合う昼と夜のように、つねに隣合っている。あるいは背中合わせのコインの裏と表のように。

生きる意味があるならば、そこには死にゆく意味もある。終わりなくして、始まりもまたありはしない。しかし、地球の細胞の1つである命に寿命を全うする意味とはあるのだろうか。生とは、その意味を探求する為のものなのか。

いや、そんなものははなからありはしない。生きる意味など、本来そんな高級なモジュールは人に搭載などされていないのだから。なれば、生きる意味などなくとも人は産まれてくることもまた意味がなくてはいけないだろう。意味などなくとも、人は生きていける。そんなものがなくて生きるなど、そんな窮屈な生などありうるものか。

4/28/2024, 8:23:57 AM