初心者太郎

Open App

—最後の一ページ—

幼稚園からの親友が亡くなった。
交通事故に遭ったらしい。

お互い別の高校に進学したから、最近は疎遠になっていたけれど、ひどく悲しかった。

線香をあげた後、「しんごの部屋、見ていってもいいよ」と言われて、俺は慎吾の部屋にきた。

昔は、よく二人でここでゲームしたのを覚えている。
懐かしいな、と俺は思った。

「あれ、なんだろう……」

本棚には、たくさんの漫画が並んでいる。
そこに一冊、漫画ではない茶色い革の背表紙が混じっていた。

「しんご、日記つけていたのか」

ぺらぺらとめくってみると、俺の知らない高校でのエピソードが書かれている。
友人のこととか、テニス部のこととか、好きな人のこととか。

「なんだよ、これ……」

幾つもの青春に紛れた、最後の一ページ。
そこにはこう書かれていた。

『僕はもうすぐ殺されるかもしれない』

俺は、静かに日記を閉じた。

事故死、と警察は結論を出した。
だが、それが、急に信じられなくなってしまった。

お題:閉ざされた日記

1/19/2026, 1:23:43 AM