羽苑

Open App

気がついたら私はどこかの知らない部屋に
閉じ込められていた。
周りには机やテーブルなどの家具が一切なく、
あるのは一つのキャンドルとライターだけ。
部屋はとても狭くて圧迫感がある。
一刻も早くこの部屋を出たい。
だが扉には鍵がかかっているしこの部屋には窓が一切ない。脱出はできなさそうだ。
扉を蹴破るという手段もあるが鉄製の扉だから
成功する確率はゼロに等しいだろう。
そうなると消去法で私が出来ることは待つことか
キャンドルに火をつけることだ。
ただ正直こんな部屋でいつ助けが来るかもわからないのに
待っていたら私の頭はおかしくなるだろう。
そうなるくらいなら私はキャンドルに火をつける。
だがキャンドルに火をつけたら部屋に二酸化炭素が
充満して私は死ぬだろう。
そうやって私が死ぬことを誰かが望んでいるのだろうか。
正直まだ死にたくない。
だがキャンドルをつける方が絶対に楽だ。
助けを待つなんてしたくない。
どうせこないのだから。
私には親も友達もいない。
警察もこんな少女1人のために捜索はしないだろう。
となるとやはりキャンドルを灯すしかない。
気が狂う前にキャンドルを灯して楽になろう。
そして私はライターでキャンドルに火をつけた。


キャンドルの火が消えるときが
私の命の灯火の消えるときだろう。
それまでキャンドルでも見て癒されよう。

11/19/2024, 1:38:59 PM